一人ならじ

一人ならじ  山本周五郎  新潮文庫        
これは、周五郎珠玉の短編で、好きな人が多いのでは、

話は、あるもののふ(武士のこと)が、自分の足を咄嗟の判断で、楔にして片足を失ってしまうのと引き替えに、味方の勝利に貢献した。しかしその戦場には、近くに丸太が落ちていたのに、無駄なことをしたものだと、世間のものに罵られ、婚約者の父からは、婚約解消言い渡されてしまった。主人公の大助は淡々とした態度をとり、密かに義足を作り、復帰を果たそうと備えて世間の評判には気にしなかった。

発表は、昭和19年9月、太平洋戦争真っ最中、当時の世相に影響された作品と言えるけど、そんなものを除いても、感動的な話、

こんな美しい人は、いないなあ、

戦争は、いろいろ悲劇を生むが、人のこころのありかたは、純粋になるのだなあ、死を意識して今を懸命に生きる、昔日本にあった武士道、侍、武士というよりも もののふと言う方が似合っている人たち、後世あの戦争が侵略だからだめだ、他いろいろ言う人がいうけど、覚悟をし、大切なもののために戦った人は、もっと評価されるべきだ。

感想がごっちゃになってしまったけど、周五郎の執筆態度直木賞拒否に明らかのように、名もない庶民のために、一生懸命生きるもののための作品だから、普通に感動的な作品が多いのだなあ 

この作品はもっと読んで欲しいものだね